カテゴリ:医療コラム( 27 )

2011年 08月 06日

画期的な心臓の聴診の本が出ました

聴診で判る情報には非常に多くのものがあり、何より医師の身一つで瞬時に診断できる、という点から診察の土台と言うべきものと思います。しかし、聴診器は医師のシンボルとされながらも、聴診技術を効率的に習得するのはなかなか難しいというのが実情でした。

今回、「デジタル心音図との対比で学ぶ心臓の聴診」という本が、金芳堂から出版されました。古くからある聴診という診察の基本技術を、デジタル心音図という新しい機器を用いて、わかりやすく解説した本です。筆頭著者の山崎直仁医師は、私の研修医時代の指導医であり、身体診察の仕方、医師としての基本姿勢を教えてくださった先生です。研修医の頃、心臓の音を録音したテープを毎日ヘッドホンで聴きながら寝た、というエピソードを持つ、身体診察法の習得とその教育に情熱を傾けてきたドクターであり、高知大の老年病科では、山崎先生による心音のレクチャーが毎週あって、1週間の間に山崎先生が集められた心臓の音を、「目からウロコ」の講義と一緒に聴かせていただいたのを思い出します。

全編カラーで、デジタル心音図で客観的(視覚的)に聴診内容を確認しながら、DVDで心音、心雑音を繰り返し聴くことができます(DVDはイヤホンもしくはヘッドホンを使用して聴くように)。また、従来の入門書(テープやCD)は、1つの疾患につき代表的な(きれいすぎる)音しか収録されていないものが多かったのですが、この本は、実際の現場で集められた様々なバリエーションが75症例もあって多彩です。随所に散りばめられた金言の数々、学生や研修医にもよく分かる簡潔な説明と美しいレイアウト、循環器の玄人もうならせる豊富な症例とレベルの高い解説、が見事にマッチされていて、大変勉強になります。医学生、研修医、循環器に携わる医師にお薦めの一冊です。

金芳堂HPへ

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大川内科
循環器内科・内科・老年内科
〒780-8006
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by ookawa-naika | 2011-08-06 14:04 | 医療コラム

2011年 07月 13日

夏の健康教室2011: 高脂血症について

7月11日(月) 高脂血症(脂質異常症)についての院内勉強会を開催させていただきました。脂質異常症の治療の目的は、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の予防であること、一次予防と二次予防の違い、生活上の注意点などについてお話しました。コレステロールを下げた方がよいかどうかは、一人一人の動脈硬化のリスクを評価したうえで判断し、個人に応じた目標を設定することになります。私自身は、循環器内科医として心筋梗塞の積極的な予防を意識しながら、一方で老年内科医として年齢やその方の価値観なども考慮し、トータルで考えることにしています。

当日は、日中は大変暑く、また夕方には突然雨が降り出すといった天候のなか、たくさんの方々に来ていただき感謝でいっぱいです。また、多くの質問をいただきありがとうございました。コレステロールの専門家ではないので、皆さまの疑問に十分お答えできなかったかもしれませんが、これからも時々このような健康教室を企画していきたいと思っていますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

8/22(月)は、糖尿病について、18:30~19:30の時間帯で、循環器内科の立場からお話させていただきたいと思います。

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by ookawa-naika | 2011-07-13 19:08 | 医療コラム

2011年 07月 08日

ステラ桟橋勉強会:夏をのり切る健康法

 昨日7月7日(木) 、高齢者住宅ステラ桟橋、宅老所ステラの家(桟橋通5丁目)にお招きを受け、行ってまいりました。「夏をのり切る健康法」と題して、熱中症や夏の食中毒などを中心に、夏にかかりやすい病気とその予防法についてお話させていただきました。地域の方々や入居者の方々などたくさんおいでになって大変熱心に聞いてくださり、院長も励みになりました。普段は、百歳体操などもされているそうです。

 ちょうど今日から梅雨明けということで、暑くなりそうです。6月の段階でも、梅雨の合間の暑い日に、熱中症の方が当院にも来られていました。全国的にも、熱中症の救急搬送者数は多かった昨年を上回るペース(6月は3倍)ということで、特に高齢の方は、体温調節機能が低下しやすく、臓器の予備能も低下しているので心配です。高温多湿を避け、水分・塩分補給(経口補水液:OS-1が脱水傾向のときはお奨めです)、日頃の体調管理などをこころがけて元気に夏をのりきられることをお祈りしております。 

熱中症関連情報リンク
環境省熱中症情報 
消防庁熱中症情
厚生労働省熱中症予防リーフレット


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by ookawa-naika | 2011-07-08 22:51 | 医療コラム

2011年 06月 14日

夏の健康教室2011: 高血圧との付き合い方

 昨日6月13日(月) 高血圧についての院内勉強会を開催させていただきました。高血圧にもいろいろあって一人一人にあわせた付き合い方が必要であること、なぜ高血圧を治療しないといけないか、生活上の注意点などについてお話させていただきました。当日はたくさんの方々に来ていただき、本当に感激しました。また、多くの質問をいただきありがとうございました。

 待合室がいっぱいになり、急きょ会場を変更することとなりました。来場された皆さまにはご迷惑おかけしました。これからも時々このような健康教室を企画していきたいと思っています。どうぞ宜しくお願いいたします。
 
 7/11(月)は、高脂血症(脂質異常症)について、8/22(月)は、糖尿病について、18:30~19:30の時間帯で、循環器内科の立場からお話させていただきたいと思います。

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by ookawa-naika | 2011-06-14 17:35 | 医療コラム

2011年 05月 03日

心臓検診について

 心臓病を早期に発見するため、学校健診や企業健診では、心電図検査と身体診察(主に聴診)、胸部エックス線写真を組み合わせて異常を見つけます(一次検診)。ここで「心臓病の疑いあり」となった方は、その後、循環器内科を受診し、精密検査を受けることになります。

 循環器内科では、心臓超音波(心エコー図)、ホルター心電図、運動負荷心電図などの追加検査を行い、診断をしていきますが、症状のない方の場合、「どこまで検査をすべきか」については慎重な判断が求められると思っています。「不安をとりたい」「無駄な検査はしたくない(できればお金をかけたくない)」という2つの考えのバランスをとることが必要なわけです。

(1) 心電図の異常
 最近は心電図の自動診断(機械での自動判定)が普及し、ごく軽微な心電図の異常も指摘されるようになりました。このため、一次検診で異常ありという場合でも、循環器専門医が、心電図の診断、問診と身体診察を丹念に行えば、追加の検査は不要と思われることもあります。一方で、心臓突然死につながるような心電図異常もありますので軽視はできません。血のつながった親せきに急死された人のいる方は特にご注意ください。

 不整脈(脈の乱れ)の検査には、身体に心電図をつけて1日を過ごしていただき、日常生活活動のなかでの脈の乱れを記録するホルター心電図が用いられます(最近は入浴してよいタイプのものがあります:写真参照)。
 また、心肥大や心筋症、心筋梗塞など、心電図異常の原因となる心疾患の診断には、心臓超音波検査が用いられます。
 一方、虚血性心疾患(心臓を栄養する冠動脈の動脈硬化による心臓病)については、通常の企業健診で発見するのには限界があります。安静にしている時の心電図に異常が出ることは少ないからです。つまり、職場の健診で正常だったから心筋梗塞にならない、とは言えないということです。虚血性心疾患の検査として、中年以降の方で、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙歴などのある方の場合、運動負荷心電図や冠動脈CTなどが用いられます。

(2) 心臓の雑音(聴診) 
 医学教育では軽視される傾向にある分野ですので、一般の健診では聴き逃されていることもあります。「心雑音あり」と言われた場合は、心臓超音波検査で、心臓の弁の異常や、先天性の心臓病の有無などをチェックしておくとよいでしょう。機能性雑音といって問題のない心雑音もあります。

(3) 胸部エックス線写真
 胸部エックス線写真で「心拡大」(誤って心肥大と言われることもあります)と言われた場合、本当に心臓が大きいのかどうか、心臓超音波検査などで判断することになります。エックス線写真は影絵のようなものですので、心臓の向きによっても心臓が大きく見えたりするからです。

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by ookawa-naika | 2011-05-03 23:31 | 医療コラム

2011年 04月 16日

老年内科について

 老年内科って何ですか?と時々聞かれます。厚生労働省が「○○内科」「○○外科」という形の標榜科目を比較的自由に認めるようになったのが最近のことなので、聞きなれないのかもしれません。
 私なりに簡単にお答えするとすれば、「多くの病気を持つことの多い高齢者を、老年期の特徴(加齢変化)を重視しながら、社会的存在として総合的・全人的に診療する内科」ということになるでしょうか。多様な高齢者の病状と機能を把握して、何がその方にとって必要であるかをご本人・ご家族とよく相談し、適切なケアが提供される様に努力していくことになります。

 実は、日本における老年医学の歴史は、入澤達吉による1906年の「老人病学」という教科書にさかのぼり、随分古いものです。しかし、現代の日本において、高齢化社会の到来に伴い、その重要性は高まっていると思われます。日本老年学会会長であった小澤利男先生(高知大学名誉教授)は、著書「老年医学と老年学」の中で、次のように述べられています。

― 老年医学も老年学も、その対象は"aging & the aged”にあります。Agingは老化です。「老いることと老いたるもの」が標的となるわけであります。それは総合的であり、かつ具体的であります。常に人間それ自体を問題としています。老化という大きな生物学的現象を基盤に置き、老・病・死という時の流れをその視野に置きます。また高齢者を社会的存在として認識し、生活、習慣、社会心理などを把握し、生きる上での障害を評価してその改善を図ります。内科学には、このような広範な学際的視点はありません。老年内科とも違います。あくまでも老年医学であり、老年学であります。 ―

 含蓄のある言葉だと思います。これによれば老年科あるいは老年病科というのがより適切なのかもしれません。ただし、診療科目として認められているのは「老年内科」ということになりますので、そのようにしております。

 もちろん、私には、あらゆる疾患を診る能力はありませんし、当院の検査態勢も限られております(現時点ではCTやMRI、内視鏡検査はできません)。専門的な検査や治療が必要と判断した場合には、それぞれの専門医の先生や基幹病院に紹介させていただきます。また、様々な診療科や看護・介護の方々と連携をとって診療にあたって行きたいと思います。しかしながら、老年医学に関わる者として、かかりつけ医として患者さんを一人の人間として受け止め、健康の相談窓口として少しでも皆様方の暮らしのお役に立つことができれば、と切に願っております。

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by ookawa-naika | 2011-04-16 22:02 | 医療コラム

2011年 04月 16日

Patient First

 私が医師免許取得後、内科医師として指導・教育を受けた高知医科大学老年病科(現在は高知大学医学部 老年病・循環器・神経内科学教室)では、「Patient First」をモットーとしていました。日本語に訳せば、「患者さんが第一」「患者中心の医療」ということになると思います。

 心不全や心筋梗塞など循環器疾患の患者さんや高齢で重症の方が多かったため、急変や緊急入院も少なくなく、先輩や同僚・後輩の医師たちは、昼夜・祝日を問わず献身的に診療にあたっていました。そのような中で、患者さんにとって何が最も必要か、もし患者が自分の親であればどうするのか、を常に考えるように、と、土居教授はじめ先輩の先生方に叩き込まれたものでした。また、高齢者は複数の病気を持つことが多いため、患者の全体像を把握するように、と指導されました。

 大川内科を開院した今、地域診療所という場において、「Patient First」をどのように具体的に実行していくか、毎日の診療の中で求められています。「患者さんのために」とはどの医療機関も目指す理念ではありますが、具体的なあり方は、現場によって異なってくるからです。当院では、4つのS(Shepherd’s heart, Servant’s attitude, Standard medicine, Support life)を診療理念とし、地域のかかりつけ医を目指しています。かかりつけの患者さんには、いつでも医師に電話連絡がつき、急変時に相談できるように対応していくつもりです。私を育てていただいた老年病科の教えを忘れずに歩んでいきたいと思います。

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by ookawa-naika | 2011-04-16 20:50 | 医療コラム
 
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