2011年 05月 03日

心臓検診について

 心臓病を早期に発見するため、学校健診や企業健診では、心電図検査と身体診察(主に聴診)、胸部エックス線写真を組み合わせて異常を見つけます(一次検診)。ここで「心臓病の疑いあり」となった方は、その後、循環器内科を受診し、精密検査を受けることになります。

 循環器内科では、心臓超音波(心エコー図)、ホルター心電図、運動負荷心電図などの追加検査を行い、診断をしていきますが、症状のない方の場合、「どこまで検査をすべきか」については慎重な判断が求められると思っています。「不安をとりたい」「無駄な検査はしたくない(できればお金をかけたくない)」という2つの考えのバランスをとることが必要なわけです。

(1) 心電図の異常
 最近は心電図の自動診断(機械での自動判定)が普及し、ごく軽微な心電図の異常も指摘されるようになりました。このため、一次検診で異常ありという場合でも、循環器専門医が、心電図の診断、問診と身体診察を丹念に行えば、追加の検査は不要と思われることもあります。一方で、心臓突然死につながるような心電図異常もありますので軽視はできません。血のつながった親せきに急死された人のいる方は特にご注意ください。

 不整脈(脈の乱れ)の検査には、身体に心電図をつけて1日を過ごしていただき、日常生活活動のなかでの脈の乱れを記録するホルター心電図が用いられます(最近は入浴してよいタイプのものがあります:写真参照)。
 また、心肥大や心筋症、心筋梗塞など、心電図異常の原因となる心疾患の診断には、心臓超音波検査が用いられます。
 一方、虚血性心疾患(心臓を栄養する冠動脈の動脈硬化による心臓病)については、通常の企業健診で発見するのには限界があります。安静にしている時の心電図に異常が出ることは少ないからです。つまり、職場の健診で正常だったから心筋梗塞にならない、とは言えないということです。虚血性心疾患の検査として、中年以降の方で、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙歴などのある方の場合、運動負荷心電図や冠動脈CTなどが用いられます。

(2) 心臓の雑音(聴診) 
 医学教育では軽視される傾向にある分野ですので、一般の健診では聴き逃されていることもあります。「心雑音あり」と言われた場合は、心臓超音波検査で、心臓の弁の異常や、先天性の心臓病の有無などをチェックしておくとよいでしょう。機能性雑音といって問題のない心雑音もあります。

(3) 胸部エックス線写真
 胸部エックス線写真で「心拡大」(誤って心肥大と言われることもあります)と言われた場合、本当に心臓が大きいのかどうか、心臓超音波検査などで判断することになります。エックス線写真は影絵のようなものですので、心臓の向きによっても心臓が大きく見えたりするからです。

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by ookawa-naika | 2011-05-03 23:31 | 医療コラム
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