2011年 04月 16日

老年内科について

 老年内科って何ですか?と時々聞かれます。厚生労働省が「○○内科」「○○外科」という形の標榜科目を比較的自由に認めるようになったのが最近のことなので、聞きなれないのかもしれません。
 私なりに簡単にお答えするとすれば、「多くの病気を持つことの多い高齢者を、老年期の特徴(加齢変化)を重視しながら、社会的存在として総合的・全人的に診療する内科」ということになるでしょうか。多様な高齢者の病状と機能を把握して、何がその方にとって必要であるかをご本人・ご家族とよく相談し、適切なケアが提供される様に努力していくことになります。

 実は、日本における老年医学の歴史は、入澤達吉による1906年の「老人病学」という教科書にさかのぼり、随分古いものです。しかし、現代の日本において、高齢化社会の到来に伴い、その重要性は高まっていると思われます。日本老年学会会長であった小澤利男先生(高知大学名誉教授)は、著書「老年医学と老年学」の中で、次のように述べられています。

― 老年医学も老年学も、その対象は"aging & the aged”にあります。Agingは老化です。「老いることと老いたるもの」が標的となるわけであります。それは総合的であり、かつ具体的であります。常に人間それ自体を問題としています。老化という大きな生物学的現象を基盤に置き、老・病・死という時の流れをその視野に置きます。また高齢者を社会的存在として認識し、生活、習慣、社会心理などを把握し、生きる上での障害を評価してその改善を図ります。内科学には、このような広範な学際的視点はありません。老年内科とも違います。あくまでも老年医学であり、老年学であります。 ―

 含蓄のある言葉だと思います。これによれば老年科あるいは老年病科というのがより適切なのかもしれません。ただし、診療科目として認められているのは「老年内科」ということになりますので、そのようにしております。

 もちろん、私には、あらゆる疾患を診る能力はありませんし、当院の検査態勢も限られております(現時点ではCTやMRI、内視鏡検査はできません)。専門的な検査や治療が必要と判断した場合には、それぞれの専門医の先生や基幹病院に紹介させていただきます。また、様々な診療科や看護・介護の方々と連携をとって診療にあたって行きたいと思います。しかしながら、老年医学に関わる者として、かかりつけ医として患者さんを一人の人間として受け止め、健康の相談窓口として少しでも皆様方の暮らしのお役に立つことができれば、と切に願っております。

*************************************************
大川内科
循環器内科・内科・老年内科
〒780-8006
高知県高知市萩町1丁目6-52
TEL 088-855-7717
FAX 088-855-7727
大川内科HPへ
メールでのお問い合わせ
*************************************************
[PR]
by ookawa-naika | 2011-04-16 22:02 | 医療コラム
COPYRIGHT (C) OOKAWA NAIKA ALL RIGHTS RESERVED.